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定期健康診断の法定項目と省略基準:2027年改正への準備

著者・監修: 依田尚人(YDAIコンサルティング株式会社 代表)

定期健康診断の法定項目と省略基準:2027年改正への準備

定期健康診断の現行の法定項目は11項目で、2027年4月1日からは喀痰検査の扱いと血清クレアチニン検査の追加により12項目へ変わります。現在必要な項目と、施行後に必要になる項目を同じ確認表に混ぜないことが、法人の健診手配では重要です。対象者と健診類型の基本は企業健診の全体ガイドで確認できます。

この記事では、労働安全衛生規則第44条の現行項目、省略基準、2027年4月1日施行の改正を時点別に整理します。労働安全衛生規則の現行施行日は2026年8月1日です。改正省令である労働安全衛生規則の一部を改正する省令、令和8年厚生労働省令第112号は2026年6月30日に公布され、確認日は2026-09-08です。

定期健康診断の現行項目

現行の定期健康診断項目を整理した早見表
現行の定期健康診断項目を整理した早見表

2026-09-08時点で施行中の定期健康診断は、労働安全衛生規則第44条第1項に定められた11項目です。項目は、既往歴及び業務歴、自覚症状及び他覚症状、身体計測、胸部エックス線検査及び喀痰検査、血圧、血液検査、尿検査、心電図検査などで構成されます。根拠はe-Gov法令検索「労働安全衛生規則」で、確認日は2026-09-08です。

2026年9月8日時点の11項目の早見表

現行の11項目は、既往歴及び業務歴の調査、自覚症状及び他覚症状の有無の検査、身長・体重・腹囲・視力・聴力の検査、胸部エックス線検査及び喀痰検査、血圧の測定、貧血検査、肝機能検査、血中脂質検査、血糖検査、尿検査、心電図検査です。各項目には省略できないものと、一定の基準の下で省略の対象となるものがあります。検査名だけで省略の可否を判断せず、第44条第2項の基準と医師の判断を確認します。

現行の区分主な項目
省略不可の項目を含む区分既往歴及び業務歴、自覚症状及び他覚症状、血圧、尿検査
省略対象となり得る区分身長・腹囲(第3号のうち)、胸部エックス線・喀痰、貧血、肝機能、血中脂質、血糖、心電図

現行の項目を手配表に記載するときは、健診日が2027年4月1日より前かをまず確認します。施行前の健診に、後の改正で追加される血清クレアチニン検査を現在の必須項目として入れません。

雇入時健康診断との項目の違い

雇入時健康診断は労働安全衛生規則第43条に定められ、現行では11項目です。ただし第4号は胸部エックス線検査のみであり、定期健康診断のように喀痰検査を含みません。雇入時の項目と定期健康診断の項目を同じものとして扱わないことが必要です。

また、雇入時健康診断には定期健康診断の第44条第2項に相当する省略規定がありません。入社時の手続きや結果証明書の扱いは、会社の健康診断義務で整理した対象・類型と分けて確認します。

省略基準を確認する

省略対象と医師の判断を分けて示す図解
省略対象と医師の判断を分けて示す図解

定期健康診断の省略は、年齢だけで自動的に決まるものではありません。労働安全衛生規則第44条第2項に基づき、厚生労働大臣が定める基準に基づき、医師が必要でないと認めるときに省略できることとされています。確認日は2026-09-08です。

省略対象となる項目と対象外の項目

省略の対象となるのは、第44条第1項の第3号、第4号、第6号から第9号まで、第11号です。身長、腹囲、胸部エックス線、喀痰、貧血、肝機能、血中脂質、血糖、心電図の検査は、基準と医師の判断を確認します。既往歴及び業務歴、自覚症状及び他覚症状、血圧、尿検査は、省略の対象として並べません。

貧血検査、肝機能検査、血中脂質検査、血糖検査、心電図検査の省略対象は、40歳未満の者で35歳の者を除くという基準です。年齢を短縮して35歳未満と扱うと、基準を正確に表せません。省略基準の根拠は厚生労働省「健康診断等に関する法令等について」で、確認日は2026-09-08です。

医師が必要でないと認める判断を含む理由

省略基準は、対象年齢だけを見て機械的に検査を外すための条件ではありません。厚生労働大臣が定める基準に基づき、医師が必要でないと認めるときに省略できることとされています。既往歴、自覚症状、他覚症状などを踏まえた医師の判断が必要です。

法人の担当者は、省略可否を独自に決めるのではなく、健診機関に対象者区分と必要な情報を伝えて確認します。短時間労働者を含む対象者の範囲は、パート・アルバイトの健康診断対象判定の契約期間と所定労働時間の二軸とも切り分けます。

2027年4月1日から変わる点

2027年4月以後の改正内容を時点別に示す図解
2027年4月以後の改正内容を時点別に示す図解

2027年4月1日以後の定期健康診断は、令和8年厚生労働省令第112号により12項目になります。改正後は第4号から喀痰検査が削除され、第10号に血清クレアチニン検査が追加されます。改正省令の公布日は2026年6月30日で、確認日は2026-09-08です。

喀痰検査の削除と血清クレアチニン検査の追加

2027年4月1日以後は、定期健康診断の第4号が胸部エックス線検査のみとなります。血清クレアチニン検査が第10号として加わり、項目数は11項目から12項目になります。これは施行後の要件であり、施行前に必要な項目として扱いません。

2027年4月1日以後の変更改正後の扱い
喀痰検査定期健康診断の第4号から削除
血清クレアチニン検査第10号として追加
項目数12項目

健診機関へ確認する際には、健診予定日と必要な健診類型を伝え、現行要件か施行後要件かを分けます。女性特有の健康課題に関する問診を、この改正の法定項目追加として扱いません。

号数整理と特定業務従事者健診への影響

改正後は、尿検査と心電図検査の号数が繰り下がります。労働安全衛生規則第45条の特定業務従事者健康診断では、改正後の読替により胸部エックス線検査が省略対象から外れる扱いになります。この点も2027年4月1日以後の扱いであり、現在の手配要件と混ぜません。

特定業務従事者の健診は、対象業務、配置替え、6月以内ごとの頻度を別に確認します。必要な時点の規則を確認し、号数だけから判断せず、施行後の条文と対象者の実施日を照合します。

手配時に時点を確認する

健診日を基準に現行と施行後を分ける手配図
健診日を基準に現行と施行後を分ける手配図

手配時には、健診日を基準にして現行要件と施行後要件を分けます。見積や会場の条件を確認する前に、対象者、健診類型、健診日、適用する時点を一覧にすると、項目の混在を防げます。

項目一覧を更新する際には、現行の表と施行後の表を別に保ちます。確認担当と確認日を残し、改正後の項目を施行前の予定へ混ぜないようにします。

健診日を基準に現行・施行後を分ける

健診日が2027年4月1日より前なら、現行の11項目を前提にします。健診日が同日以後なら、改正後の12項目を前提にします。年度単位の予定表であっても、実施日がどちらの時点に当たるかを確認し、説明資料と健診機関への確認内容を分けます。

確認表には、健診日、健診類型、適用時点、必要な項目、確認先、確認日を置きます。省略が関わる場合は、対象年齢だけで処理せず、医師の判断を確認する欄を残します。改正の適用を迷う場合は、根拠規則と所管窓口の案内を確認します。

年度の計画を作る担当者と、実施日の条件を確認する担当者が異なる場合は、適用時点を引き継ぐ項目にします。現行の11項目、施行後の12項目、医師の判断が関わる省略を別の欄に置くと、予定の変更があっても必要な確認を追いやすくなります。健診機関への連絡でも、実施日と適用する時点を一緒に伝えます。

定期健康診断の項目と時点確認をまとめた早見表
定期健康診断の項目と時点確認をまとめた早見表

よくある質問

血清クレアチニン検査は今すぐ必須ですか

血清クレアチニン検査の追加は、令和8年厚生労働省令第112号により2027年4月1日から施行されます。施行前は現在の必須項目ではないため、現行の11項目と分けて確認します。改正省令の公布日は2026年6月30日で、確認日は2026-09-08です。

35歳未満なら血液検査を省略できますか

年齢だけで機械的に省略しません。貧血検査、肝機能検査、血中脂質検査、血糖検査、心電図検査の省略対象は、40歳未満の者で35歳の者を除くという基準です。労働安全衛生規則第44条第2項に基づき、厚生労働大臣が定める基準に基づき、医師が必要でないと認めるときに省略できることとされています。

雇入時健康診断も同じ省略基準ですか

雇入時健康診断には、定期健康診断の省略規定に相当する規定がありません。労働安全衛生規則第43条の対象、実施時期、項目を確認し、定期健康診断の第44条第2項の省略基準をそのまま使いません。結果証明書による相当項目の扱いとは分けて確認します。

まとめ

定期健康診断は、現行の11項目と2027年4月1日以後の12項目を時点別に確認します。省略は年齢だけで決めず、厚生労働大臣が定める基準と医師の判断を確認します。健診日を基準に適用時点を分け、対象者と健診類型に合った手配条件を整えてください。

出典

著者・監修

依田尚人YDAIコンサルティング株式会社 代表

依田尚人は YDAIコンサルティング株式会社 代表。安衛法の健康診断義務と法人健診の手配実務・費用実勢について、e-Gov・厚生労働省・協会けんぽの公開一覧等の公開情報を一次ソースまで確認する工程を標準として、本サイトの記事を設計・監修しています。

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