パート・アルバイトの健康診断:対象判定の2つの基準
著者・監修: 依田尚人(YDAIコンサルティング株式会社 代表)
パート・アルバイトの健康診断:対象判定の2つの基準
パート・アルバイトの健康診断は、契約期間と通常の労働者に対する所定労働時間の割合の両方を確認して対象を判断します。雇用形態の名称や週の時間数だけで、実施義務の有無を決めることはできません。法人の担当者は、対象となる健診類型を確認した上で、二つの基準を同じ一覧で照合します。
一般健康診断の全体的な対象・頻度は会社の健康診断義務で確認できます。この記事では、短時間労働者の取扱いを示す通達と労働安全衛生規則に基づき、義務の範囲と実施が望ましい範囲を分けて整理します。確認日は2026-09-08です。
パート・アルバイトの対象判定とは

パート・アルバイトが一般健康診断の対象となるかは、常時使用する労働者に当たるかを通達の二軸で確認します。労働安全衛生規則第43条・第44条が対象とする「常時使用する労働者」の短時間労働者への取扱いは、契約期間と所定労働時間の割合を組み合わせて示されています。
常時使用する労働者を通達で確認する理由
法令本文には、短時間労働者を含む「常時使用する労働者」の定義規定が置かれていません。このため、平成19年10月1日 基発第1001016号・職発第1001002号・能発第1001001号・雇児発第1001002号「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律の施行について」で示された取扱いを確認します。根拠資料は厚生労働省 大阪労働局「健康診断実施機関セミナー(一般健康診断について)」で、確認日は2026-09-08です。
対象判定では、雇用契約の呼び方を先に使わず、契約期間と所定労働時間を確認します。法人内の通常の労働者がどの所定労働時間で働いているかも必要になるため、短時間労働者だけの勤務表を見て結論を出さないことが重要です。
契約期間と所定労働時間の二軸表
義務の範囲は、契約期間の要件と、通常の労働者の所定労働時間に対する割合の要件を両方満たす場合です。契約期間は、期間の定めがない契約、更新により1年以上使用される予定、または更新により1年以上継続して使用されている場合が該当します。特定業務に従事する場合は、契約期間の確認を6月として扱います。
| 確認軸 | 義務の範囲で確認する内容 |
|---|---|
| 契約期間 | 無期、1年以上の使用予定、または1年以上の継続使用 |
| 所定労働時間 | 通常の労働者の4分の3以上 |
| 特定業務 | 契約期間の確認を6月として扱う |
二つの軸は、どちらか一方だけで対象を決めるものではありません。雇用契約の更新見込みと、勤務時間の割合が分かる資料を同じ確認表に置いてから、必要な健診類型を判断します。
義務となる範囲を確認する

義務となる範囲は、契約期間と所定労働時間の割合を合わせて確認します。労働安全衛生規則第43条・第44条の健診対象と、短時間労働者について示された通達の要件を分けずに確認すると、週の時間数だけで判断する誤りを避けられます。
1年以上の見込み・継続と特定業務の6月
期間の定めがない契約で使用される人は、契約期間の軸を満たします。期間の定めがある場合でも、契約更新により1年以上使用される予定の人、または更新により1年以上引き続き使用されている人は、同じ軸で確認します。特定業務に就く人については、この期間を6月として確認します。
この期間は、実際の勤務日数を単純に合計するための基準ではありません。契約書、更新予定、勤務区分を確認し、一般健康診断か特定業務従事者健康診断かを区別した上で、対象判定に使います。特定業務の頻度や手配条件は企業健診の全体ガイドの類型表も参照してください。
通常の労働者の4分の3以上という基準
契約期間の軸を満たす人は、通常の労働者の1週間の所定労働時間の4分の3以上であるかを確認します。これは短時間労働者本人の時間数だけを固定する基準ではなく、同種の業務に従事する通常の労働者との割合で確認する基準です。通常の労働者の所定労働時間が週40時間の事業場なら、4分の3は週30時間の換算例になります。
週30時間という数字を、すべての法人に当てはまる法令上の時間数として扱わないことが必要です。勤務制度や通常の労働者の所定労働時間が異なれば、換算結果も変わります。確認表には通常の労働者の所定労働時間と、短時間労働者の所定労働時間を並べて記録します。
望ましい範囲と混同しない

契約期間の要件を満たし、通常の労働者の所定労働時間が概ね2分の1以上で4分の3未満の人は、健康診断を実施することが望ましいとされています。これは義務の範囲と同じではないため、対象判定表では別の区分として扱います。
概ね2分の1以上4分の3未満の位置づけ
望ましい範囲は、契約期間の要件を満たすことが前提です。その上で、所定労働時間が通常の労働者の概ね2分の1以上4分の3未満である人について、実施することが望ましいとされています。対象外という一語で処理せず、義務の範囲と望ましい範囲を分けて管理します。
法人内の運用を決める際には、義務対象、望ましい範囲、個別確認が必要な範囲を別列にします。労使の取決めや契約の個別事情に関する判断は、この一般解説だけで結論を出さず、所管窓口や専門家への確認を含めて検討します。
週あたりの時間は換算例として扱う
通常の労働者の所定労働時間が週40時間なら、概ね2分の1は週20時間の換算例です。週20時間以上を一般健康診断の義務基準とするわけではなく、義務の範囲は4分の3以上と契約期間の要件を合わせて確認します。通達が直接、特定の週時間を定めているわけではありません。
勤務シフトが月ごとに変わる場合も、所定労働時間と通常の労働者の時間を分けて確認します。実働時間だけで判断するのではなく、契約上の所定労働時間、更新の見込み、従事する業務を記録し、判定根拠を共有できるようにします。
手配前の確認手順

手配前には、対象者を個人の健康情報ではなく、契約・所定労働時間・健診類型という業務条件で確認します。対象判定が済んだ後に、拠点ごとの人数、必要なコース、候補日、会場を複数事業所の健康診断を一括手配する進め方のように整理します。
雇用契約と所定労働時間を一覧で確認する
一覧には、雇用形態の名称ではなく、契約期間の区分、更新見込み、通常の労働者の所定労働時間、本人の所定労働時間、健診類型を置きます。義務の範囲か望ましい範囲かを記録し、判断の前提が変わった場合に再確認できるようにします。健診結果や診療に関する情報は、この対象判定表の項目に含めません。
確認の順番は、契約期間、所定労働時間の割合、健診類型、対象人数、日程の順です。各拠点で同じ項目を集め、疑義がある対象は所管窓口や専門家へ確認してから、法人の手配人数へ反映します。労働安全衛生規則の現行施行日は2026年8月1日で、確認日は2026-09-08です。

よくある質問
週20時間以上なら健康診断の義務がありますか
週20時間以上を一律に一般健康診断の義務基準とはしません。通常の労働者の所定労働時間の4分の3以上であることと、契約期間の要件を両方確認します。週40時間の事業場では週30時間が4分の3の換算例ですが、通達が週30時間を直接定めているわけではありません。確認日は2026-09-08です。
週20時間程度で働く人は対象外ですか
契約期間の要件を満たし、通常の労働者の所定労働時間が概ね2分の1以上の人には、健康診断を実施することが望ましいとされています。義務の範囲とは分けて確認し、週40時間の事業場の週20時間は換算例として扱います。個別の契約への当てはめは所管窓口や専門家に確認してください。
特定業務に就く短時間労働者の契約期間はどう考えますか
特定業務では、契約更新により使用される予定または継続使用の期間を6月として確認します。所定労働時間の割合も合わせて確認し、労働安全衛生規則第45条の対象業務に常時従事するかを判断します。対象業務の具体的な当てはめは、根拠規則と所管窓口の案内を確認します。
まとめ
パート・アルバイトの健康診断は、契約期間と通常の労働者に対する所定労働時間の割合を両方確認します。4分の3以上の義務の範囲と、概ね2分の1以上の望ましい範囲を混同せず、個別の当てはめは所管窓口や専門家に確認します。対象判定後に、拠点ごとの手配条件を整理してください。
出典
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」(laws.e-gov.go.jp)
- 厚生労働省 大阪労働局「健康診断実施機関セミナー(一般健康診断について)」(jsite.mhlw.go.jp)
著者・監修
依田尚人YDAIコンサルティング株式会社 代表
依田尚人は YDAIコンサルティング株式会社 代表。安衛法の健康診断義務と法人健診の手配実務・費用実勢について、e-Gov・厚生労働省・協会けんぽの公開一覧等の公開情報を一次ソースまで確認する工程を標準として、本サイトの記事を設計・監修しています。
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