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雇入時健康診断とは?項目・実施時期・省略できない点

著者・監修: 依田尚人(YDAIコンサルティング株式会社 代表)

雇入時健康診断とは?項目・実施時期・省略できない点

雇入時健康診断は、常時使用する労働者を雇い入れるときに行う健康診断で、定期健康診断の省略基準とは別に確認します。法人の入社手続きでは、対象者、実施時期、必要な項目、結果を証明する書面の条件を分けることが必要です。定期健康診断の項目と同じものとして処理すると、喀痰検査や省略基準の扱いを混同するおそれがあります。

この記事では、労働安全衛生規則第43条に基づく雇入時健康診断の対象、項目、結果証明書の確認順を解説します。労働安全衛生規則の現行施行日は2026年8月1日で、令和8年厚生労働省令第112号の公布日は2026年6月30日です。確認日は2026-09-08です。

雇入時健康診断とは

入社書類と健診結果の証明書面を確認する担当者の図解
入社書類と健診結果の証明書面を確認する担当者の図解

雇入時健康診断は、労働安全衛生規則第43条に基づき、常時使用する労働者を雇い入れるときに医師による健康診断を行うこととされています。これは、年間で行う定期健康診断とは実施時期と省略規定が異なる健診類型です。対象となる常時使用する労働者の確認は、会社の健康診断義務で扱う対象・頻度の整理と合わせて行います。

労働安全衛生規則第43条の対象と実施時期

第43条の対象は、常時使用する労働者です。実施時期は雇い入れるときと定められており、年度の定期健診を待つための健診ではありません。入社予定者ごとに、雇い入れる時期、必要な項目、結果証明書の有無を確認します。

対象者を確認するときは、雇用形態の名称だけで決めません。契約期間や所定労働時間を含めた対象要件を確認し、個別の雇用契約への当てはめに迷う場合は所管窓口や専門家に相談します。健診機関への手配では、対象人数と入社時期を業務条件として伝えます。

法人の健診類型と手配条件を一覧で確認する順番は、企業健診の全体ガイドも参照してください。

定期健康診断と分けて確認する理由

定期健康診断は労働安全衛生規則第44条に基づき、特定業務従事者を除く常時使用する労働者について1年以内ごとに1回、定期に行うこととされています。雇入時健康診断は第43条に基づき雇い入れるときに行うため、目的の時点と対象者の確認順が異なります。入社時の健診を定期健診の予定表だけで管理しないことが重要です。

また、雇入時健康診断には、定期健康診断の第44条第2項に相当する省略規定がありません。定期健康診断の現行項目と省略基準は、定期健康診断の法定項目と省略基準で時点別に確認できます。

項目と結果証明書を確認する

雇入時の項目と結果証明書を分けて確認する図解
雇入時の項目と結果証明書を分けて確認する図解

雇入時健康診断の現行項目は、定期健康診断の現行項目と一部が異なります。結果証明書で相当する項目を確認する場合も、書面の時期と記載項目を確認し、定期健診の省略基準と混同しません。

雇入時の11項目の早見表

2026-09-08時点で施行中の雇入時健康診断は11項目です。既往歴及び業務歴の調査、自覚症状及び他覚症状、身体計測、胸部エックス線検査、血圧、貧血、肝機能、血中脂質、血糖、尿、心電図の検査を行うこととされています。第4号は胸部エックス線検査のみであり、喀痰検査を含みません。

現行の確認区分確認する内容
対象者常時使用する労働者
実施時期雇い入れるとき
現行項目11項目、胸部エックス線検査を含む
定期健診との違い第4号に喀痰検査を含まない

法人の入社手続きでは、健診が雇入時のものか、定期のものかを一覧の最初に記録します。結果書面を確認する場合でも、入社日との関係だけでなく、書面に相当する項目の結果が記載されているかを確認します。

健診後3月を経過しない結果証明書の扱い

労働安全衛生規則第43条ただし書では、健康診断を受けた後3月を経過しない人が、その結果を証明する書面を提出したときは、相当する項目を省略できることとされています。書面は項目ごとに結果を記載したものであることを確認します。健康診断を受けた後3月を経過しないという条件と、相当する項目の確認を分けます。

書面があることだけで、雇入時健康診断の全項目を一律に省略することにはなりません。法人の担当者は、書面の健診日、記載項目、雇入時に必要な項目を確認し、必要に応じて健診機関や所管窓口へ相談します。個人の診断内容を社内で判断するのではなく、書面の条件と手配の要否を確認します。

省略と変更予定を混同しない

定期健診の省略基準と雇入時健診を分ける図解
定期健診の省略基準と雇入時健診を分ける図解

雇入時健康診断では、定期健康診断の省略基準をそのまま使いません。さらに、2027年4月1日以後の項目改正は、施行前の現在の雇入時健診に必要な項目ではありません。省略と将来の変更を別々の欄で確認します。

定期健康診断の省略基準をそのまま使わない

定期健康診断の省略は、労働安全衛生規則第44条第2項に基づき、厚生労働大臣が定める基準に基づき、医師が必要でないと認めるときに行えることとされています。第43条にはこれに相当する規定がないため、年齢などを理由に雇入時健康診断の項目を同じ基準で省略しません。雇入時は、第43条ただし書の結果証明書に関する条件を別に確認します。

入社時の予定表には、対象者、入社予定日、健診日、書面の有無、相当項目の確認先を置きます。定期健診の省略対象を記録する欄とは分け、どの条文の条件に基づく確認かを明らかにします。

2027年4月以後の項目改正を時点別に確認する

令和8年厚生労働省令第112号は、2027年4月1日から施行されます。雇入時健康診断では血清クレアチニン検査が加わり、項目数は12項目になります。肝機能検査の表記はGOT・GPT・γ-GTPからAST・ALT・γ-GTへ変わりますが、これは施行後の要件です。

2027年4月1日以後の雇入時健康診断変更内容
項目数12項目
新設項目血清クレアチニン検査
肝機能検査の表記AST・ALT・γ-GT

健診予定日が施行前なら、現行の11項目を前提に確認します。予定日が施行後なら、改正後の項目を確認します。現行の表と施行後の表を同じ比較表に混ぜず、適用する時点を入社手続きの確認欄に記録します。

入社手続きへ組み込む確認項目

入社日と健診日から確認順を整える手続き図
入社日と健診日から確認順を整える手続き図

入社手続きでは、対象者、雇い入れる時期、健診日、結果を証明する書面、必要な項目を順に確認します。雇入時健診を定期健診や個人の受診相談と混ぜず、法人側の実施条件として整理します。

対象者ごとの確認が済んだ後は、拠点単位で人数と候補日を集計します。書面の有無だけで手配の要否を決めず、相当項目と健診日の条件を確認します。

入社手続きの担当と健診手配の担当が異なる場合は、確認した項目と健診日を引き継ぎます。

対象者・日程・結果書面を確認する順番

最初に常時使用する労働者に該当するかを確認し、次に雇い入れる時期と健診日を確認します。その後、健康診断を受けた後3月を経過しない結果証明書がある場合は、書面の健診日と相当項目を確認します。最後に、現行要件か施行後要件かを健診日で判断します。

複数拠点で入社がある場合は、対象人数、入社時期、健診日、書面確認の担当、実施先への連絡状況を共通の一覧にします。日程と請求をまとめて管理する場合は、対象者の個別内容ではなく、拠点別の業務条件を整えます。

入社予定が変更された場合は、雇い入れる時期、健診日、結果を証明する書面の健診日、必要な項目を再確認します。書面の時期だけを更新するのではなく、現行要件か施行後要件かも健診日で確認します。確認担当と確認日を残しておくと、入社手続きと健診手配の連絡が分かれていても照合しやすくなります。

雇入時健康診断の確認順をまとめた早見表
雇入時健康診断の確認順をまとめた早見表

よくある質問

雇入時健康診断はいつ実施しますか

労働安全衛生規則第43条では、常時使用する労働者を雇い入れるときに医師による健康診断を行うこととされています。定期健康診断の年次予定とは別に、入社時期と健診日を確認します。根拠資料の確認日は2026-09-08です。

直近に受けた健診結果を使えますか

健康診断を受けた後3月を経過しない人が、結果を証明する書面を提出した場合は、相当する項目を省略できることがあります。書面が項目ごとに結果を記載しているかを確認し、健診日と雇入時に必要な項目を照合します。書面があるだけで全項目を一律に省略するものではありません。

定期健康診断の省略基準を使えますか

雇入時健康診断には、定期健康診断の省略規定に相当する規定がありません。労働安全衛生規則第43条の項目と実施時期を確認し、第44条第2項の省略基準をそのまま使いません。結果証明書により相当項目を確認する条件とは分けて扱います。

まとめ

雇入時健康診断は、常時使用する労働者を雇い入れるときに行い、定期健康診断の省略基準とは別に確認します。健康診断を受けた後3月を経過しない結果証明書は、時期と相当項目の両方を確認します。健診日を基準に現行要件と施行後要件を分け、入社手続きへ組み込んでください。

出典

著者・監修

依田尚人YDAIコンサルティング株式会社 代表

依田尚人は YDAIコンサルティング株式会社 代表。安衛法の健康診断義務と法人健診の手配実務・費用実勢について、e-Gov・厚生労働省・協会けんぽの公開一覧等の公開情報を一次ソースまで確認する工程を標準として、本サイトの記事を設計・監修しています。

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