定期健康診断結果報告書:記録・提出の確認ポイント
著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表
目次
定期健康診断の結果報告では、記録・保存・通知を行ったうえで、所定の要件を満たす事業者は労働安全衛生規則第52条に基づく報告を確認します。記録、保存、通知、報告は別々の義務であり、一つの書類を提出すればすべて完了するものではありません。法人の担当者は、対象となる健診、対象となる事業場、実施後の作業を順に分けて確認します。
この記事では、健康診断個人票の記録・保存、結果の通知、定期健康診断結果報告書、電子申請の本則と書面提出の経過措置を整理します。労働安全衛生法の現行施行日は2026年4月1日で、関連改正法の令和7年法律第33号の公布日は2025年5月14日です。労働安全衛生規則の現行施行日は2026年8月1日、確認日は2026-09-08です。
結果報告で確認する全体像

健康診断の実施後は、健康診断個人票の作成・保存、医師等からの意見聴取、結果の通知、必要な結果報告を分けて確認します。根拠条文は、労働安全衛生法第66条の3から第66条の6、労働安全衛生規則第51条から第52条です。対象者と健診類型の確認は企業健診の全体ガイドと合わせて行います。
記録・保存・通知・報告を分ける早見表
記録は、健康診断個人票を作成することです。保存は、その個人票を所定の期間保管することです。通知は健診を受けた労働者へ結果を知らせることであり、報告は所定の事業者が所轄労働基準監督署長へ行う手続きです。
| 区分 | 主な根拠 | 確認する内容 |
|---|---|---|
| 記録・保存 | 労働安全衛生法第66条の3、規則第51条 | 健康診断個人票を作成し保存 |
| 意見聴取 | 労働安全衛生法第66条の4、規則第51条の2 | 異常所見がある労働者について確認 |
| 通知 | 労働安全衛生法第66条の6、規則第51条の4 | 健診を受けた労働者へ結果を通知 |
| 報告 | 労働安全衛生規則第52条 | 対象の事業者が所定の報告を行う |
実施済みかどうかを一つの進捗欄で処理すると、保存や通知の確認が残ることがあります。法人側の管理表では、各作業を別の列にし、担当部署と確認日を記録します。
一般健診と歯科健診の報告対象を分ける
一般健康診断の結果報告は、労働安全衛生規則第52条第1項に定められています。常時50人以上の労働者を使用する事業者が、第44条または第45条の定期の健診を行ったときに、遅滞なく報告することとされています。事業場規模と一般健康診断の実施義務を混同しないことは、会社の健康診断義務で確認できます。
歯科健診の結果報告は同条第2項で定められ、常時50人以上という限定がありません。一般健診と歯科健診では対象と報告要件が異なるため、同じ確認欄にまとめず、実施した健診の類型ごとに確認します。
記録と保存を確認する

記録と保存は、健診結果を受け取った後の独立した義務です。労働安全衛生法第66条の3と労働安全衛生規則第51条に基づき、事業者は健康診断個人票を作成し、5年間保存することとされています。根拠資料の確認日は2026-09-08です。
健康診断個人票と5年間の保存
健康診断個人票は様式第5号とされ、健診の記録を作成して保存するためのものです。保存期間は5年間であり、報告書を提出したかどうかとは別に確認します。保管方法や個人情報の法的取扱いの詳細は、この一般解説では扱わず、必要な社内規程や所管窓口の案内を確認します。
法人の管理では、個人票そのものを日程管理表へ含めるのではなく、作成、保存、担当、確認日を業務項目として記録します。複数拠点で保管部署が異なる場合も、保存が確認できたかを拠点単位で整理します。
異常所見がある労働者への意見聴取と通知
労働安全衛生法第66条の4と労働安全衛生規則第51条の2は、異常の所見があると診断された労働者に係る結果に基づき、健康保持に必要な措置について医師または歯科医師の意見を聴くことを定めています。労働安全衛生法第66条の6と労働安全衛生規則第51条の4は、健診を受けた労働者に結果を通知することと定めています。意見聴取と通知を、結果報告の手続きだけで済ませるものとして扱いません。
法人の担当者は、意見聴取、結果通知、記録保存を別の業務として確認します。具体的な医学的判断や個別の就業措置の判断は、医師等の意見や所管窓口、専門家への相談を踏まえて行います。
結果報告の対象と記載事項

一般健康診断の結果報告では、対象となる事業者、実施した健診、報告事項を確認します。定期健康診断の対象者・頻度は定期健康診断の法定項目と省略基準で確認し、結果報告の条件と混同しません。
常時50人以上を使用する事業者の定期健診報告
労働安全衛生規則第52条第1項は、常時50人以上の労働者を使用する事業者が、第44条または第45条の定期の健康診断を行ったときに報告することと定めています。報告は遅滞なく所轄労働基準監督署長に行います。一般健康診断の実施義務と、結果報告の人数要件を別の確認欄にします。
報告の前には、事業場の情報、対象期間、実施日、受診者数、項目ごとの受診状況と有所見者数、事業者の情報を確認します。報告用の数値は、実施記録と対応しているかを確認し、別の拠点や別の健診類型の数値を混ぜません。
複数拠点の実施日や受診者数を集約する場合は、拠点ごとの条件と全社の確認状況を分けて管理します。日程・請求・結果の管理項目は、複数事業所の健康診断を一括手配する進め方の確認表とも照合できます。
報告前にそろえる実施日・受診者数・有所見者数
実施日、受診者数、項目ごとの受診者数と有所見者数は、同じ対象期間の記録から確認します。実施機関の名称・所在地、事業場の名称・所在地、常時使用する労働者数なども、報告対象の事業場と対応しているかを確認します。報告年月日と事業者の職氏名を含め、様式の記載事項をまとめて照合します。
特定業務従事者の健診を含む場合は、対象業務に常時従事する労働者の人数を一般の定期健診と分けて確認します。対象と実施頻度は特定業務従事者健康診断で整理した配置日と実施履歴とも照合します。
電子申請と書面提出を確認する

労働安全衛生規則第52条第1項の本則は、電子情報処理組織を使用して結果報告を行うことです。ただし、経過措置により、当分の間は書面による報告ができます。本則と経過措置を同じ意味にせず、二層で確認します。
報告の対象か迷う場合は、事業場の人数、実施した健診類型、根拠条文を確認し、所轄労働基準監督署の案内を確認します。
確認した内容は、記録・保存・通知・報告のどの区分に関するものかを添えて残します。
本則と当分の間の経過措置
令和6年厚生労働省令第45号附則第2条は、2025年1月1日施行の経過措置として、当分の間、従前の様式による書面での報告を可能としています。令和8年厚生労働省令第89号附則第3条も、2027年4月1日施行後に、当分の間、書面による報告ができることを定めています。これらはe-Gov法令検索「労働安全衛生規則」で確認でき、確認日は2026-09-08です。
| 区分 | 報告方法の位置づけ |
|---|---|
| 本則 | 電子情報処理組織を使用する報告 |
| 経過措置 | 当分の間は書面による報告ができる |
書面による報告は、電子申請が難しい場合に限って認められる例外ではありません。法人側では、報告対象、記載事項、提出方法、経過措置の確認先を分け、所轄労働基準監督署の案内も確認します。
報告準備では、実施記録と報告事項を照合した日、確認担当、提出方法、提出後の確認を別に残します。電子情報処理組織による本則と書面による経過措置を同じ欄にせず、どの根拠で確認したかを記録すると、拠点ごとの手続きにも対応しやすくなります。

まとめ
定期健康診断の実施後は、記録・保存・意見聴取・通知・報告を別々に確認します。結果報告の本則は電子情報処理組織を使用する方法で、当分の間は書面による報告ができる経過措置があります。対象となる事業場と健診類型を確認し、実施記録と報告事項を照合してください。
よくある質問
- Q. 定期健康診断結果報告書は紙で提出できますか
- 労働安全衛生規則第52条第1項の本則は電子情報処理組織を使用する報告です。ただし令和6年厚生労働省令第45号附則第2条などの経過措置により、当分の間は書面による報告ができます。電子申請の本則と書面による経過措置を分けて確認し、確認日は2026-09-08です。
- Q. 健康診断個人票は何年保存しますか
- 労働安全衛生法第66条の3および労働安全衛生規則第51条に基づき、健康診断個人票を作成し5年間保存することとされています。結果報告の要否とは別に、作成と保存の状況を確認します。根拠資料の確認日は2026-09-08です。
- Q. 歯科健診の結果報告にも50人以上の要件がありますか
- 労働安全衛生規則第52条第2項の歯科健診の結果報告には、常時50人以上という限定がありません。第52条第1項の一般健診の報告とは、対象と要件を分けて確認します。実施した健診の類型ごとに根拠規則を照合してください。
出典
- 1.e-Gov法令検索「労働安全衛生法」(laws.e-gov.go.jp)
- 2.e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」(laws.e-gov.go.jp)